遥かへのスピードランナー

シリコンバレーでAndroidアプリの開発してます。コンピュータービジョン・3D・アルゴリズム界隈にもたまに出現します。

いつかは終わる それ自体が希望

思いがけず明け方の4時まで仕事してしまい、そしてその後8時まで飲んで死ぬほど体がだるい中、このライブだけは目に収めなくてはと思い、武道館まで行ってきた。
Syrup16gの解散ライブ。

このバンドを見るのは2回目。前見たのはもう5,6年は前だろうか、BUMP他との対バンで、確か彼らはメジャーデビューしたばっかりのころだったと思う。

興奮してくると段々と片足があがってきてしまうVo.五十嵐の姿だけが印象的で、それ以外の雰囲気とか演奏とかの印象はまるで忘れてしまったのだが、今回は会場の雰囲気に何か違和感を覚えるライブだった。

曲間に客席から投げられる拍手や声援はとても温かなのに、演奏中はみな不動。この曲調でこのクオリティだったらもう少しのってもいいんじゃないの?って思うのに、何か外部からの力で身動きを禁止されているかのように不動。
これがシロップのライブの通常なんだろうか、シロップの音楽のもつ独特の力なんだろうか?

そんなことを考えながらも、曲は進む。ライブ中MCはほとんどと言っていいほどなく、淡々と進んでいく。やっぱり何かがおかしい。不動の客に投げかけられる独白調の曲は、まるで誰にも届いていないように思える。だけど、演奏後の拍手や声援は、それがきっちりと届いていることを示している。この違和感はなんだろう。曲は客に届く、しかし客の反応を五十嵐が受け止めていない、そんな構図にも思える。

だけどそんなちぐはぐな感じが、同時にまたシロップの音楽の個性でもあって、本当に昔からのファンの人たちは、そういうライブ中の不器用な対話も受け容れているのかも知れない。
このライブで感じた違和感は、シロップの根源での表れで、そしてシロップが歩んできた苦難の歴史なんだろう。

曲は新旧織り交ぜたっぷり3時間以上。
3枚しかアルバムを持ってない俺には知らない曲も結構あった。
ソドシラソ、神のカルマ、生活、空をなくす、翌日、REAL・・・この辺の速い曲が好きだ。そして、ラストアルバムからはニセモノが群を抜いてかっこいいと思う。

さようならシロップ、これからもどこかで不器用な生き様を僕等に突きつけてくれ。

syrup16g 'LIVE FOREVER' the last waltz of syrup16g
2008.3.1 sat. 日本武道館 SET LIST

01.きこえるかい
02.無効の日
03.生活
04.神のカルマ
05.I.N.M
06.Anything for today
07.イエロウ
08.月になって
09.負け犬
10.希望
11.センチメンタル
12.明日を落としても
13.もったいない
14.生きたいよ
15.途中の行方
16.ex.人間
17.正常
18.パープルムカデ
19.天才
20.ソドシラソ
21.Sonic Discorder
22.coup d'Etat
23.空をなくす
24.リアル

En1.
25.さくら
26.ニセモノ
27.新曲
28.イマジネーション
29.scene through

En2
30.She was beautiful
31.落堕
32.真空

En3.
33.翌日
34.Reborn