遥かへのスピードランナー

シリコンバレーでAndroidアプリの開発してます。コンピュータービジョン・3D・アルゴリズム界隈にもたまに出現します。

iPhonista Nightに参加してきました

8/20は、九段下で開催されたiPhone勉強会「iPhonista Night」に参加してきました。

概要

iPhoneビジネスの可能性を探る」勉強会。

アジェンダ
  • iPhoneの可能性対談:株式会社モディファイ代表取締役社長兼CEO 小川浩氏&慶應義塾大学SFC研究所上席所員 松村太郎氏
  • iPoneプレイヤーパネルディスカッション:アシアル株式会社代表取締役社長 田中正裕氏&株式会社駅探代表取締役社長 中村太郎氏&株式会社mixiモバイル企画部シニアプロデューサー 柳本修平氏&株式会社iPhonez代表取締役 八尾憲輔氏
  • 最先端iPhone対応Webサービス:株式会社モバキッズ代表取締役 西野悠加乃氏
  • iPhoneアプリケーション紹介:アルカーナ株式会社最高執行責任者 西川幸秀氏
  • ワークショップ「iPhoneのキラーアプリを考える」
  • ライトニングトーク
    • iPhoneアプリ「30min.ランチ検索」:株式会社サンゼロミニッツ代表取締役 谷郷元昭氏
    • iPhoneを使った3D空間の企画を考えるときに把握しておきたいこと:株式会社オクターバ代表取締役 古川剛氏
所感

印象に残ったセッションは、冒頭の小川氏のセッションと、西川氏のセッション。

小川さんの会社の開発されたMODIPHIというWebアプリケーションは面白いなと思いました。対談の内容を聞く限り、iPhoneに最適化されたインターフェースを自動的に提供してくれるASPなのかなと思っていましたが、実際に触ってみるとそうではなく、あくまでニュースリーダー&RSSフィード配信というアプリケーションのようで、ちょっとイメージと違った感じでした(もしかすると法人に対してはそういうソリューションを提供しているのかもしれません)。iPhoneを多々あるインターフェースの中の1つと捉えた上で、冷静に1つのビジネスをひねり出していて、ああこういうスタンスもありだな、と思いました。
また、なぜネイティブアプリではなくWEBアプリなのか?の問いに対する、PCの世界とのアナロジーという答えは、なんとなく根拠が薄い気がしました。ただApp Storeという課金プラットフォームが整備されたネイティブアプリだけでなく、Webアプリでのビジネスもいろいろ考えられるよ、という面では勉強になったかな。

西川氏は、逆にiPhoneの可能性は無限大、みたいな大風呂敷を広げた上で、こんなに面白いことできるんだからなんかしようよ、というアイデアの種まきのようなセッション。
マルチタップ/GPS/加速度センサー/カメラ/音声認識という5つの機能分けは、自分にとっても、今後アプリを考えていくのに有益だなと感じました。

西川氏の発表の後続けて行われたワークショップは「女性が日常で抱いていた不満を解決するためのアプリ」というお題で、iPhoneキラーアプリケーションを考えるというものでしたが、こういうターゲットを絞ってアプリを考えていくアプローチも面白いなと思いました。(自分が考えると、どうしても「何ができる」から入ってしまうことが多いので)

ちなみに僕の考えたアプリケーションは、女性の写真うつりをよくするための、写真加工アプリケーション「かんたん!変身アプリ」です。iPhoneのマルチタッチ機能で、目を大きくしたり、鼻を高くしたりできる。画像解析のかなり深い技術がないと実現しないアプリだけど、面白いと思うんだけどなー。ただ、iPhoneならでは、っていう観点で見るとちょっとインパクトが弱かったかも知れません。


さて、この勉強会に関してのレポートとかをいろいろ読んでみると、結構辛口な意見も多かったようです。プレゼンの準備不足、とか、ビジネスという観点が不足しているとかね。
でも僕は、全体を通じて面白かったと思います。
確かにいまiPhone界隈の雰囲気は、新しいおもちゃで遊んでいる、もしくは新しい遊びを探っている学生的な感じが全体として漂っているとは思います。だけどそれでいいんじゃないでしょうか。App Storeで単にビールを注ぐアプリとか、そろばんアプリ、ブロック崩しアプリとかが上位に来ている状況を見ても、みんなやっぱりあたらしいおもちゃで遊びたいんですよね。ビジネスそっちのけで。そして、App Storeを利用している人たちもそれを受け容れるような状況になっている。

別に最初に収益モデルありき、っていう考え方もありだとは思います。でもそれって小学校の休み時間に、すごい面白いおもちゃを与えられたけど、俺は将来のことを考えて勉強するよ、っていって勉強している感じに近いと思うんですよね。
とりあえず「iPhoneすげー」から入って、使ってもらえる人に喜んでもらえるインターフェースを考えて、これはいけると思ってから、ビジネスモデルを考えていくっていうのもありなのかな、と。

みなさん法人として取り組んでらっしゃるんでそういう考えになってしまうのかも知れないですけど、個人として参加している自分のような人は気楽なもんです。
さーて何のアプリ作ろっかな。